栗田美術館ヘようこそ

栗田美術館館長 林屋晴三


 私はかつて、栗田先生から友の会の会長を仰せつかっておりましたが、何も為すことなく打過ぎました。ところが故先生の一周忌を期に、新しく就任された理事長鹿島昭一氏の御要請により、館長職を勤めることになりました。
 栗田美術館は故栗田先生が心血を注いで創設され、三万坪の境内の隅々にいたるまで、先生ならではの想いが充満しています。これほどの美術館を、一人の人間が創設するということは容易なことではなく、激しい情熱と挑む心がなければ成し得るものではありません。栗田先生の強力な個性の持ち主に代わることは何人もできないと思います。しかし先生が残されたこの美術館は、永遠に存続させなければならないのでありまして、私は先生の御遺志を受けとめ、熊沢館長代理やその他のスタッフと共に最善を尽くして、このユニークな美術館の運営にあたっていきたいと存じます。平成11年1月3日




Home